トラスト通信98号
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会長から今伝えたいこと、トラストグループの企業理念にもある人間性を高める事へ繫がるように、会長がみなさんに伝えたい言葉等を題材にとりあげております。中村天風哲人の教え 今回も「中村天風先生」の笑いにまつわる言葉を勉強しましょう。人間だけが笑える笑顔を失うと、命の資本ともいうべき健康もみるみる破壊されますし、また、運命とて同様に、とかく阻まれがちとなってしまうんですよ。西洋の諺にも「和やかな笑顔の漂うところに、運命の女神はその慈愛の手を差しのべる」というのがあります。いったい何のために、人間だけが笑えるようにできているのかということを、厳粛に考えなきゃだめですぜ。あなた方、考えたことあるかい?家庭人生は笑いで過ごすことである。一家揃って・・・・特に主人をはじめ家族の外出や帰宅の際は、一層にこにこすることが肝要である。多少の不満や不平はさらりと捨てて・・・・・・・況(いわん)や無始無終宇宙生命に比すれば、人の命は決して長いものではない。従ってどんなに愛し合っても、また健康であっても、百年と一処に生活はできるものでないということに想到したら、終始一貫笑顔で睦まじく暮らすのが、最も正しい人生生活だと気がつくであろう。況や、怒ったり、争ったりするために、家庭を持つのではないはずであるから・・・・。ニッコリ笑う朝起きると、まず、第一に、ニッコリと笑う。もう、くせがついているから、眼が覚めるとニッコリ笑う。わざわざニッコリ笑わなくても、ひとりでに笑う。そして、「今日一日、この笑顔を壊すまいぞ!」と自分自身に約束する。ふたたびは、来らんものを、今日の日はただほがらかに 活きてぞたのし。笑いは人間の特権平素人生に活きる時に、つとめて明るく朗らかに活き活きと勇ましく活きる努力を実行すべきである。と同時に、この意味において私は、大いに「笑い」ということを礼賛する。笑えば心持ちは、何となくのびのびと朗らかになる。この簡単な事実を案外多くの人は見逃している。人間は万物の霊長として重い大きな負担を負っている。笑いはその疲れた心や体を、ほどよく調和させるように人間に与えられているものである。笑いは養生である人間は神経の集積であるので、神経系統をみだりに消極的に興奮させることが、直接間接に生命に危険を与えることになるのは当然である。人間の個体の生命擁護のために、全神経系統の興奮を鎮める一手段として「笑い」を生体に仕組んである。事ある時も事なき時も終始笑顔で応接しよう。否、事ある時は一層笑顔を崩さぬように練習するべきである。特に、体の弱い人はひとしお笑いに努力することを養生の第一とするべきである。中村天風一日一話(財団法人天風会編)2

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